ドアを開けるとそこは出木杉の部屋だった。





―――って当たり前だけど。
違ったらそれこそ問題だし…。






とりあえず、僕は傍に座って
部屋を眺めた。
相変わらず綺麗に整頓されてるなぁ。
僕の部屋と大違い、なんて思いながら。


ベットもホテルとかみたいに綺麗にだし
机だって、消しカスひとつないし
傍にある本棚には漫画の本なんて一切ない。
小説ばかりみたいだ。
しかも僕の読んだ(読書感想文とかで)本とは違って
絵とか全然ないやつ。


(すごいなぁ…)



その中の一冊を取り出して、パラパラとめくってみる。
小さい字がいっぱいで目がクラクラしちゃうよ…。





「のび太くん?」

後ろから声がしてびっくりする。

「あっ、ごめん、勝手に…」

「いいよ。その本、借りてく?」
「う、ううん、いい、よ。」

どーせ読まないだろうし。
僕のお昼ねの枕になっちゃうのがオチだろう。


「はい、ジュース。」
「あ、ありがと。」

ひんやり冷えたオレンジジュースを僕は受け取り
口に含む。
真っ赤になった顔が冷たいジュースのお陰で
少しマシになった気がする。


「先に勉強始めようか。」

「え?あ、う…ん。」



そっか、今日は勉強しにきたんだっけ。
慌てて僕は持ってきたかばんの中から
塾で使ってたノートと教科書を取り出す。
ノートって言ってもあんまり、取ってないから
意味ないんだけど…。




「それじゃあ、どこから始めようか?」


そういって僕のノートを取り
パラパラと捲る。
なはは〜…きっと呆れられるだろうな。
ノートのあまりの白さに…。



「あれ?これ…」
「…ごめん、出木杉…」

僕は先手必勝とでもいうように頭を下げる。

「僕ノートの取り方、どこをどうとっていいか分からなくって。」

「いや、そうじゃなくって…。これ、って。」


へ?




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