誰かを傷つける大切さ
あいつはご存知の通り、家にいるネコ型ロボットに依存していた。
甘えて、甘えて、どんどんあいつは駄目になっていった。
ネコ型ロボットが未来に帰ってからも。
今度はおせっかいな委員長があいつを甘やかす。
優しい言葉を並べて。
またあいつはどんどん駄目になっていく。
しかも今度はその委員長が計画的なのが問題だ。
あいつは自分がいなければのび太が駄目になるように、
もっと自分に依存するように、と願っている。
あの優等生ヅラで
あの優しげな微笑で上手く隠しているけど
俺にはわかる。
あいつは危険だってことが
本能的に分かる。
でも、上手く伝えることも出来ない。
あの委員長のように上手く立ち回ることなんて出来ない。
だから俺はのび太につっかかって
苛めてしまう。
俺に立ち向かう強さを見につけて欲しいからだ。
その代償に
あいつは俺を見るたび脅えるけれども、
あいつは他の人には見せる笑顔を俺には向けて笑ってくれないけれど。
それでも俺にはどうすればいいかわからず。
そんな自分を嫌悪しながも
俺はあいつを傷つけてしまう。
自分でも間違ってるのかどうかなんて
分からないけれど。