君の好きな人2
「ごめんね、のび太くんの話を聞くはずがつい嬉しくて・・・
調子に乗っちゃった・・・怒ってるかい?」
なーんて、手のひらを返したかのようにいつもの優しい顔に戻って謝るから
・・・ま、いっかって思っちゃうんだ。ズルイよね。
っとと、そうだ。本題に戻らなくちゃ!
「で、出木杉は結局どうなんだよ。」
「好きな人・・・だよね・・・。うん、いるよ。」
「それって・・・同じクラスの・・・・?」
「うん。」
「すっごく可愛い?」
「うん。」
僕は出木杉とのやり取りの中である答えにぶつかった。
これって・・もしかして・・・両思いじゃないか?
だって僕のクラスの可愛い子って言えば・・・やっぱり彼女しかいない!
なぁ〜んだ、僕がいなくても時間の問題だった・・・って訳だ・・・。
・・・・・・・なぁんだ。・・・
僕馬鹿みたいじゃないか・・・。
「のび太くん、今度は君の番だよ。」
「―――え?」
「なんで、僕にそんな事聞いたの?」
出木杉はなんでこんなに拘ってるんだろう・・・。
さっきの顔とは違い、今度はちょっと真剣な顔で聞いてくる。
・・・・・・もしかして・・・頭の良い出木杉の事だ。
何か感づいているのかもしれない・・・。
僕は咄嗟に上手い言いわけも考えられず・・・口走ってしまった。
「・・・出木杉を好きな子に聞いてくれって言われたんだよ!」
そういった途端・・・
ひんやり・・・とその場の温度が下がった気がした・・・。