君の好きな人







一度やると決めたら僕も男だ!



「でっ・・・出木杉!」

うっわぁ・・・声がひっくりがえっちゃった・・・。
思わず口を押さえる僕。
絶対変に思ってるよね・・・、出木杉の奴・・・。
僕の顔ジロジロと見てる、不思議そうな目で。―――・・・なんかやな感じだ。


僕は出来るだけ平静を装えるように一つ軽く深呼吸をして
再び、出来杉に向き合った。
「あの・・・さ、話があるから今日の放課後・・・ちょっと時間くれない?」








返事は意外にも即OK.
なんだろ・・・なんとなく断られそうだったけど・・・。
まぁなんでもいいや!結果オーライ、オーライ。


「で、なに?のび太くん。」

う〜・・・そんなに焦らなくてもいいじゃないかぁ・・。
別に悪い話するわけじゃないし・・・。
あまりの出木杉の食いつきのよさに心臓がバクバクしていた。
変なの、僕が告白する訳じゃないのに、やっぱり責任感ってやつ。
なにしろ、彼女の気持ちをそれとなく伝えなきゃいけないんだ。
―――相手が出来杉ってのが気にくわないけど・・・
でも彼女には・・・悲しんでほしくないんだ。

ゴクッ、と唾を飲んで僕は恐る恐る聞いてみた。

「・・・あの・・・さ、・・・(それとなく・・・それとなく・・・)
・・・・出木杉って今好きな人・・・いる?!」


出木杉の顔を見れば・・・ん?・・・なんか・・・嬉しそう?
・・・・なんで?!

「・・・・のび太くん・・・知りたいの?どうして・・?」

え?・・どうしてって・・・、うわー・・・考えてなかった!・・
どうしよう・・・・・・・えっと・・・えええっと・・・


「気になるから!!」



ってわぁぁあぁっ、何だよ!それ!!僕の馬鹿ー!!

「ふぅん。」


出木杉はますます嬉しそうな顔・・・っていうか・・・こんな出木杉
見たことない・・・。
・・・なんていうか・・・普段の優等生・・・ぽくないっていうか・・・。
皆に向ける優しげな笑顔は変わらないんだけど・・・なんていえばいいのか・・・
分かんないけど・・・。

僕が悩んでると・・・ 

「 の び 太 く ん 。」

と出木杉が呼ぶ。
ふいっと顔を上げると・・・


「わぁあぁぁっ!!」

お、お、お、おぉぉ?!
思ったより出木杉の顔が近くにあって僕はビックリした。
出木杉はそんな驚いちゃった僕を見てクスクス笑ってる・・・やな奴!

僕が文句の一つでも言ってやろうと思ったら・・・