もちまわり劇場「シンデレラ」
王子→のびた シンデレラ→出木杉



美しい王子に一目ぼれしたシンデレラは
強引にダンスに誘い出し
月明かりの下で踊っておりました。




ゴーンゴーン

鐘の音が舞踏会の会場を響き渡る頃
シンデレラはやっと我に返りました。

「あ、もうこんな時間…」


「どうしたの?シンデレラ」

首を傾げて心配そうに見る王子。
そんな王子を愛しそうに抱き締めると…

「僕はもう帰らなくちゃいけないんだ。」

と耳元でささやきました。



王子は胸が締め付けられるような気持ちになりました。
シンデレラの強引さに王子もいつのまにか惹かれていたようです。


「帰るの?」

と上目使いで聞けば
シンデレラは「帰って欲しくない?」と聞きました。



王子は小さく頷くと
「分かった」と言って鐘が鳴り終わるまでずっと抱き締めていました。




二度目の奇跡は起こらず魔法はやっぱり12時に解けてしまいました。
ですが二人はいつまでも抱き締めあってました。