大的中…射的以外は全く当たらない僕の勘。






恋敵5








僕の予想は大当たりー。
ってこんなところで当たっても嬉しくないんだけど…
というか寧ろ不幸だし。




「分からないことがあったらなんでも聞いてね。」
「あの講師厳しいから気をつけたほうがいいわよ?」



ご親切にも僕のママは僕が塾に行くことをちゃんとしずかちゃんに伝えてくれて。
当然の如く、出木杉にもその話はすぐにバレて。





こうやって、僕の初めての塾の授業が始まった。







―――








はっきり言って、開始五分…



全然分かんない…。


先生の話はちんぷんかんぷん。
黒板の文字は宇宙文字?
XやYってなんのイニシャル?


ちらりと右と斜め前を見れば優秀な二人が机に向かって
ノートに書きとめてる。

なんだよ、助けてくれるんじゃないの?





僕は頬杖をつきながら、目を外へ向ける。
ミーンミーンと鳴く蝉の声。
チリリンと聞こえる風鈴の音。
子供達のきゃっきゃ、と遊ぶ声。


あーあ、僕も外で遊びたいな…

ま、僕の場合夏は、部屋の中でゴロゴロしてるのが一番だけど。
でもこんな場所に閉じ込められるくらいなら
カンカン照りの下で干からびた方がまだマシかも。



なぁんて、考えながらおっきい入道雲を見ていると、
急にひじをツンツンとつつかれ
――え?と思って振り向くと、
そこには上目遣いで僕を見る知らない女の子が
ニマっと口角を上げて笑っていた…。









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オリジナルキャラです。
苦手な人はごめんなさいー;;