なんでこんな状況になってしまったのか・・・?




恋の終わり2








「あのさ〜、出来杉くんになんとなく私の事アピールしてくれないかなぁ?」

そんな事を言ったのは僕が好きだった彼女だった。
・・・一週間前、僕は人づてに告白を彼女にされてしまい、失恋した。
ようやく立ち直ってきたばかりだというときにこんな事を彼女に頼まれてしまったのだ。
人気のない教室に呼び出された僕は・・・思わずありえるはずのない想像をして浮かれてしまった。
もしかしたら・・・彼女は考え直してくれたんじゃ・・・?なんて・・・。

彼女は少し前から出木杉の事が気になっていたらしい。
しかし、どんなに自分で話しかけたり、遊びに誘っても・・・出木杉は誘いにのらず、
ただニッコリ笑って断るらしい。
そこで、出木杉と小学校のころから一緒の僕になんとなく自分をアピールしてくれないか?と提案してきたのだ。


僕の答えは当然NOだけど・・・
―――・・・嫌だ!!
・・・って心の中では叫んでいるのに・・・僕は「嫌」という言葉を出せなかった。
好きでいてもらえなくても、僕は彼女に嫌われるなんて事・・・絶対に嫌だったんだ。

コクン・・・と頷くしかなかったんだ。

「ホント!?ありがと〜!!」

彼女は僕の答えがよっぽど嬉しかったんだろう。
顔を綻ばして、手をぎゅっと握ってきた。
それだけで僕はもう真っ赤になってしまう・・・。
単純だな〜・・・と自分でも思う。
本当にそう思う。








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出木杉出てない・・・でもデキノビですよ!!