素直な気持ち5











あれ?
目を開けたらそこはベットの上だった。

「…」

一瞬ここが何処だかさっぱり分からなかったが
独特の消毒液のにおいでここが保健室だという事に気付けた。
ゆっくり身を起こしてなんで僕はいまここにいるんだろう??
とかかんがえながら頭の中を整理する。

確か、頭がふらふらして…
それから…倒れた…んだよね、僕。










「のび太くん、起きた?」


真っ白かカーテン越しから出木杉の声が聞こえた。
僕は「あ、うん」と小さく短く返事をする。
そっか、出木杉が僕をここまで運んでくれたんだ…


「良かった、いきなり倒れたから…心配したんだよ。」

そう言いながらいつものあの優しげな微笑みで
シャッとカーテンが開けた。
出木杉は僕の寝ているベットの横に椅子を持ってきて
そこに座って「もう大丈夫?」と首を傾げながら心配そうに僕を見る

「…う、うん。」




僕は頷くことしか出来なくて…ちゃんとお礼も出来なくて…
でも出木杉は気にした様子もなくただ、微笑んで

「なら良かった。」

と言ってくれる。
少し嬉しくて、顔をちゃんと上げると僕と出木杉は目があった。

すると僕を安心させるようにまた、出木杉は微笑んだ。





たった一日、たった一日だけど…
出木杉と離れるだけでこんなに不安定になるなんて
微笑みかけられただけでこんなに気分が浮上するなんて…



「あ…」




…僕は…










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