「・・・ドラえ・・・・もぉん・・・」

僕は今日も散々だった。
ジャイアンに苛められるし。
しずかちゃんにはカッコ悪い所ばかり見られるし。
スネオには自慢話ばかりされるし。

コツコツコツ・・・

誰もいないはずなのに人の足跡が聞こえて僕はギクリとする。
どうしよう。
こんな所誰かに見られたら笑われてしまう。
もし、しずかちゃんだったりしたら恥ずかしくて死んじゃうよ!!

コツコツ・・・

恐る恐る目を向けて見るとそれは意外な人だった。

「出木・・・杉?」

そう彼の名前を呼ぶと彼は優しく微笑んでくれた。

「野比くんじゃない?どうしたんだい?」
僕が泣いているのに気付いて出来杉は駆け寄ってくれる。
誰にでも優しくて
勉強が出来て
信頼されてて
女の子にモテて・・・
僕もこんなふうだったら。
「・・・どうして僕をそんなに見るの?」
いつのまにか僕は出木杉をじーっと見つめていたらしい。
恥ずかしい!何見とれてるんだよ!僕!
思わず俯いてしまった。





「・・・もう立てる?そろそろ帰ろう。暗くなると皆心配するよ」
確かに・・・早く帰らないと心配というよりママに怒られそう。
晩御飯抜きだけは絶対やだし・・・ね。




僕はその日の帰り初めて一緒に帰った。
一緒に並んで帰る事はなかったけど。
僕は出木杉の手を掴んで
出木杉は僕の手を引いて



なぜかその帰り道とても鼓動が早くて・・・
出来杉に聞こえないかハラハラした。
握っている手が暖かくて



とてもドキドキしたんだ。








ノビちゃんサイドです。
もうだめだ。文才のなさにうんざりだよ!ママン!