こんなにもそばに 2







気のせいだろうか?
今、僕が好きだからって聞こえた気がした…。





「え?」




とても信じられなくて、僕は出木杉に聞き返した。
そんな事ある訳ない。
幻聴に決まってる。

だって出木杉は優等生で、可愛い女の子にモテモテで
その点僕は、劣等性だし、トロいし…ドラえもんに頼ってばかり…

沢山の魅力的な女の子の中から、僕なんかを選ぶはずない。




それにその前に僕も相手も男だし…。
それに…


僕が悶々と考え込んでいると、出木杉は僕を呼んだ。

「のび太くん、もう一度言ってほしいの?」



艶を帯びた綺麗…っていうか色気のあるようなそんな笑みで
意地悪な声で…


僕は無意識のうちに頷いていた。






「…?!」
しばらく出木杉が何も言わないので顔を上げると
出木杉は僕の座っている真正面に座っていた。

(…っていうか…いつのまに…?!)

出木杉は惜しげもなく優しく微笑みながら、僕の髪を触る。
僕が少し逃げようと頭を動かすと
彼は髪を少し強く自分の方へ引っ張ってくる。

「聞きたいの?」

出木杉はもう一度聞く。
二度目は僕も声に出して、うん…と答えた。





「君が好き、誰よりも一番、一番、一番好き。」





そういうと僕の髪に口付けを落とした。




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