弱虫2








周りも彼女の泣き声で異変に気づいたのか
こちらを見て不思議そうな顔をしている。

彼女の友達が彼女を庇うかのように周りに集まってくる。
ヒソヒソと下世話な話をして、ニヤニヤ変な笑いをしているやつもいる。







「何?なんの騒ぎ?」




そこに出木杉がやってきた。
不思議そうな顔をして、何にも知らないという顔で。


「どうして泣いてるの?」


お前のせいだよ。お前のせいで彼女は泣いてるんだ。
早く慰めてあげてよ、あんなにも泣いている。
君が慰めれば彼女も喜ぶだろう。


ところが、出木杉は彼女と反対方向、つまり僕の方に向かって歩いてくる。
どうして?なんで僕のところに。
もしかして怒ってるんだろうか?
彼女を泣かせてしまったから・・・?

怖くなってぎゅっと目を瞑ると・・・

「ねぇ、どうして泣いてるの?」

と再び同じ事を聞いた。
え?と出木杉を見ると、ぼやけて上手く見えないことに気づいた。
そのとき初めて自分が泣いていることを自覚した。


「あ・・・」

思わず恥ずかしくなって袖で乱暴に拭う。
すると、出木杉がそれを止める。



駄目だよ、目が傷つく・・・と言いながら、
優しい声と優しい微笑みで。








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