今日は最悪な日だった。


テストの点は思ったより悪かったし。
提出プリントは忘れてくる人が多くてまとめるのに苦労したし。
剛田くんが掃除中に花瓶を割るし。
その片付けを彼が逃げたせいで僕がしなくちゃならなくなったし。

こんな日は早く帰って宿題をして寝てしまおう。
僕は少しイライラしながら誰もいない(といっても教員等は居るだろうが)
廊下を歩いていた。



「・・・ぅっく・・・ひっく・・・」

いきなり、誰もいないはずの教室から泣き声が聞こえてきた。
はっきりいって、かかわるのは面倒だったが
その泣き声があまりに情けなかったので思わずその教室を覗いてしまった。

その教室の隅っこの方でうずくまりながら泣いていたのは

野比のび太だった。



「出木・・・杉?」
とのび太はマヌケな声で僕を呼んだ。

「野比くんじゃない?どうしたんだい?」
とりあえず駆け寄り状況説明を求めるけど
のび太が何故泣いているのかなんて大体予想はつく。
大方ジャイアンにでも苛められたんだろう。
もしくはスネオ。
こんな弱い人間を苛めて何が面白いんだろうか?
くだらない。正直そう思う。

「・・・・」
気がつけば、のび太くんは僕をじーっと見ている。
「・・・どうして僕をそんなに見るの?」

そう聞くと真っ赤な顔をしてのび太くんは顔を伏せた。
「・・・・・・なんでもないよ」
消え入りそうな声でそう答えて。                 

「・・・もう立てる?そろそろ帰ろう。暗くなると皆心配するよ」
のび太くんはコクリと頷くと立ち上がる。

僕はその日の帰り初めて一緒に帰った。
一緒に並んで帰る事はなかったけど。
僕はのび太くんの手を引いて
のび太くんは僕のてを掴んで


「それじゃ・・・」
「出木杉!!」


「なに?」



「・・・ありがと」

そう言って彼は笑った。

鼓動が早くなった気がする。
でも何故?

「そ、それじゃ」
そう最後に告げると僕は脱兎のごとく走った。
鼓動が早くなるのを全速力で走っているからだ
と自分に言い聞かせながら。


気がつけばイライラは収まっていた。











初めての小説ですよ。
もう駄目駄目ですね。
とりあえず初です。